分散型の初詣となり、お正月らしいお正月ではなかったな、そう感じる方もいるかもしれません。
本来のお正月とは何をするものなのか、皆さんはご存じですか?
正月が過ぎ、既に仕事始めとなっている方も多いかと思いますが、お正月とは何?ということを考えてみてはいかがでしょうか?
そして家族との時間にお正月について考えてみることも家族の時間として有意義なものなるでしょう。
今回はお正月についての紹介、お正月に家族が揃って祝う理由について説明していきます。
目次
お正月を説明できますか?
当たり前のように毎年過ごしていると、お正月とは?と聞かれても答えることができないかもしれません。
お正月は年末年始休暇、帰省をしたり遠方に旅行をするタイミングと思っている人も少なくないでしょう。
毎年、周りに流されるように正月の準備をして、大晦日には年越しそばを食べる。
年が明ければ初詣をして、おせちを食べる。
お年玉を貰いに祖父母や親類の家に新年のご挨拶に行くのがお正月、というイメージがあるかもしれませんが、お正月を家族で行う理由を知っていますか?説明することができますか?
お正月とは
実は「正月」とは1月の別称です。
なので、1月の間は正月ということになります。
一般的に正月とされる期間は1~7日(地域によっては15・20日)正月行事が終わるまでの間がお正月の期間です。
元旦には「年神様(としがみさま)」が、今年の人々の幸福をもたらすために、各家庭に降臨されるといわれています。
年神様を迎え入れてお祝いし、たくさんの幸せを授けてもらうために、様々な正月行事や風習が生まれたといわれており、新しい年を「迎える」と表現したり、「一年の計は元旦にあり」いうのも年神様を元旦にお迎えすることからいわれているそうです。
年神様をお迎えすると説明しましたが、実際にはどのような準備をして年神様を迎えるのでしょうか?
年神様を迎える準備などしたことがない、そう思う人もいるかもしれませんが、私たちがお正月準備をして行っていることが、実は年神様を迎える準備、迎えるための用意となっているのです。
- 門松門松とは年神様が迷わずやってくるための案内役であり、年神様がいらっしゃる目印として、門のところ、玄関前に飾ります。門松を玄関前などに飾る家は少ないかもしれませんが、年神様を家に招くためには分かりやすい印になるといえます。
- しめ縄・しめ飾りしめ飾りなどは、年神様をお迎えする場所という意味で、しめ縄を張ったり、飾ったりします。地域や宗教によってしめ飾りの種類や飾り方は異なりますが、神様の入口となる場所になり、玄関などにしめ飾りを飾ることが多いです。お日柄の良い日にしめ飾りを飾り、お迎えの準備をします。
- 鏡餅鏡餅は、年神様へのお供えであり、依り代(神様が宿る場所)といわれています。鏡餅という名は、神様が宿るところとして神事に用いられる円形の鏡を表していることが由来とされ、丸餅は魂も表しています。
- 年越しそば大晦日に年越しそばを食べるのが恒例となっている家も多いはずですが、年越しそばは、細く長く長寿であるよう願い食べるものとされています。年越しそばの由来は、江戸時代に遡ります。江戸に住む町人の間で慌ただしい月末に手っ取り早く食べられるそばを好んだ「晦日そば」という風習が大晦日に残ったものだといわれています。
今のお正月と昔のお正月は違うの?
江戸時代は今よりも「お正月だから休む」という感覚はなかったようで、大晦日に早めに仕事を切り上げ、元日のみ静かに過ごし、正月2日からの仕事始めというところが多かったそうです。
ただし、仕事などはせずに挨拶程度、午前中で仕事は終わりというような感じでした。
今の私たちが行うお正月行事と江戸時代のお正月行事、大きく違うのは「家長を中心に若水(わかみず)を汲み、その水で雑煮を煮て福茶(ふくちゃ)を飲む」ことで新年を祝ったそうです。
お正月にて水を汲むための手桶を新調し、恵方を向いて水を汲んだそうです。
福茶とは聞きなれない言葉かもしれませんが、お茶に梅干しと結び昆布を入れたものとされており、西日本などでは今でも行われている正月の風習です。
お茶屋さんなどでは福茶が販売されていますが、自分で作ることも可能なので小正月までの間に一度試してみてはいかがでしょうか?
お正月に家族が揃って祝う理由
現在は家族が揃う時などは、ゴールデンウィークかお盆、そして正月くらいしかないというご家庭も多く、それぞれが忙しいご家庭であれば、なかなか揃うことも難しいかもしれません。
昔から「正月は家族が揃って祝うもの」などといわれていますが、なぜお正月に家族が揃う必要があるのでしょうか?
これは、お正月には年神様をお迎えするということに理由があり、年神様をお迎えするにあたり、家族揃ってお迎えすることが必要だとされていたからです。
昔は新年を迎えると、数え年で1つ年をとっていたため、新年に変わる大晦日の夜から、お頭付きの魚や雑煮などの縁起のいい食事を囲んで、一年の無事を感謝し、共に祝いながら家族団欒の時間を過ごていたそうです。
今のように個別に誕生日を祝うことがなかったので、家族全員で皆の誕生日を祝ったということになるのですね。
まとめ
お正月の由来と、昔のお正月について紹介しました。
お正月とは本来家族が揃って年神様をお迎えする、大事なイベントであり、家族全員の無事と健康を祝う時間でもありました。
今でこそカウントダウンイベントなどが行われ、家族が揃って正月を過ごす人が少なくなってきましたが、お正月本来の意味である「年神様をお迎えし、家族の無事と健康を祝う」時間を持つのも良いのではないでしょうか?
休暇が少なく、せっかくの休みとなる年末年始、好きなことをするための時間にするのも良いですが、家族のための時間とするのはいかがでしょうか?
家族や親孝行とは無縁と思っていましたが、結婚し子どもが生まれると親と親孝行がとても大切なものなのだなと思うようになりました。
なかなか面と向かって親孝行や家族に感謝するのは恥ずかしく感じることもありますが、恥ずかしがらずに親孝行していきたいと思っています。
まずは家族も親も元気が一番!ですね。