ことわざやいつも使う言葉に対して「どんな意味があるんだろう」「この言葉の意味ってこれで合っているのかな?」と思うことはありませんか?
今まで当たり前のように使っていた言葉も、本当の意味を知ることで今まで通りに使えない!?なんてこともあるようです。
時代によって使い方が変わったもの、意味が異なってしまったものなどもあるので、今回は知っているようで知らない言葉の意味を確認してみませんか?
家族との会話、身の回りの人との会話などでも使われる言葉を今回は紹介していきます。
目次
言葉ひとつで人を喜ばすことも悲しませることもできる
先日、99歳で逝去された作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんは、生前「言葉で人を殺すこともある」と仰られていました。
喜ぶ言葉は、自分自身が気持ちの良い言葉や文章を話することで可能ですが、悲しませる言葉は自分でも気がつかないうちに使っていることもあります。
自分ではそのつもりがなくても、相手を悲しませる言葉があることを理解しましょう。
意味を知らずに使っていたり、間違った意味で使っているなんてこともあるので、本当の意味を知ることはとても大切です。
自分も家族も知らなかった言葉などは家族で共有し、今後は正しい意味で使えるようにするのも良いでしょう。
今回は親や夫婦を褒める言葉をご紹介しますので、家庭での会話で使ってみてください。
夫婦をほめる言葉
夫婦を褒める、これは第三者が夫婦を見て褒める際に使われる言葉ですが、知っているといろいろな場面で使うことができます。
両親のことを誰かに紹介する、理想の夫婦として話す、間違えた使い方で相手を不愉快にしてしまっては意味がありません。
意味を知っている人も知らない人も、本当の意味を再確認していきましょう。
仲睦まじい
言葉の意味は
仲がよい。親密である。特に、男女間の愛情がこまやかである。「夫婦仲も―・く暮らす」
事物に愛着がある。心がひかれる。
などがあります。
一般的には互いに気が合って仲が良いことを指し、夫婦と紹介していますが、恋人や兄弟姉妹などの仲が良い場合にも使用できます。
微笑ましく、好感の持てる関係を築いている人達(男女問わず)に使うと良いでしょう。
友人同士にはあまり使われることがないので、使わない方が良いです。
鴛鴦夫婦(おしどりふうふ)
鴛鴦(オシドリ)の雌雄がいつも一緒にいるところから、仲むつまじい夫婦をいう意味に繋がりました。
よく聞く言葉なので、仲良し夫婦などに使うことが多く、知り合いなどが仲良し夫婦である場合に使ったことがある人も多いはずです。
鴛鴦を良い夫婦とするのは中国からの影響だといわれ、所説ありますが「おしどりの契り」という中国の故事から生まれたといわれています。
とある事情で離れ離れになった夫婦が死後鴛鴦になったという話なのですが、この鴛鴦、実際には仲睦まじくも一生添い遂げることもないのだそうです。
だからといって鴛鴦夫婦という言葉を仲の良い夫婦に使うことが悪いということはありません。
鴛鴦夫婦の前で、鳥の鴛鴦の話だけはしないでくださいね。
好一対
好一対の意味は、二つの物や人がよく調和して似合っていること。
お似合いであり、好ましいと周囲が感じる相性の関係を表しています。
互いに釣り合いの取れた夫婦などに使われることが多く、美男美女のカップルや夫婦などに使われることが多いようです。
私自身の身の回りでは聞くことのない言葉なのは、このような夫婦がいないからかもしれません。
共白髪
言葉の意味は
夫婦そろって長生きして、ともに白髪になること、夫婦そろって長命であることのたとえ。
高齢の夫婦などに対して使われることが多い言葉です。
共に白髪になっても仲良く暮らすことを願う夫婦でも使われることがあります。
共白髪には他の意味や使い方などがあり、祝い品の一つになります。
麻緒をたばねて、人間の白髪に見立てたもの。
夫婦そろって白髪になるまで長寿を保つようにとの願いから、結納(ゆいのう)・婚礼・赤子の祝いなどの祝儀に欠かせないものとされています。
そして、カンピョウの果肉を砂糖漬けにして乾燥させた菓子に「友志良賀(ともしらが)」というものがあります。
共白髪にあやかった商品であり、めでたい席や敬老の日などに使われる和菓子で宇都宮市の名物です。
夫唱婦随
聞きなれた言葉である夫唱婦随(ふしょうふずい)の意味は
夫が言い出し、妻がそれに従う意から、夫婦仲が非常によいことです。
もしかしたら、ん?と疑問を抱く人もいるかもしれませんね。
この言葉が生まれたのは大昔です、今の夫婦関係とは異なっているので、現代の夫婦に使える言葉であるのか?となると疑問がでてくるかもしれませんね。
ちなみに夫唱婦随の反対は「婦唱夫随」。
今はこちらの方が当たっているのかもしれませんね。
どちらにしても読み方は「ふしょうふずい」なので、夫婦仲の良い夫婦に使うことは問題がありません。
どちらと取るかは夫婦の関係性で決まるでしょう。
親をほめる言葉
親に面と向かってほめる事はないかと思いますが(失礼と感じてしまうかもしれません)、親を褒める言葉というのはいくつもあるようです。
鳶が鷹を生む
平凡な親がすぐれた子を生むことのたとえ、 とんびがたかをうむ。
鳶が 孔雀(くじゃく)を生むよいう言葉もあるようですが、実際に使われることが多いのは鷹を生むの方が多いでしょう。
親よりも優秀な子どもである場合に、周囲がやっかみ半分でいう言葉と解釈していましたが、我が子が生まれてみると、いわれてみたい言葉になりました。
我が子は将来どのようにいわれるのでしょうね、鷹?孔雀?鳶は鳶でしょう。
父母の恩は山よりも高く海よりも深し
両親から受けた恩は何物にも比べることができないほど大きいものだというたとえ。
子どもの頃には気づかなことですが、大人になり親となるとさらに親がこれまでにしてくれたことが大きく深い愛情を持ったものであると気づかされます。
親に感謝の気持ちが生まれた時に、感じるものではないでしょうか?
親の意見と冷酒は後の薬
冷や酒が時がたってからききはじめるように、親の意見も後で心に思い当たり、そのありがたみがわかるようになる。
同じような意味を持つ言葉として「冷酒と親の意見は後あと薬」があります。
いわれている時には気づかないことが、時がたつにつれて理解できるようになる…よくあることではないでしょうか?
親を褒めるというと疑問を感じるかもしれませんが、親の凄さやありがたみを感じる言葉になるでしょう。
子をもって知る親の恩
自分自身が親となってはじめて、親がどんなに苦労して自分を育ててくれたかを知る。
親の立場になって、親の愛情の深さやありがたさが本当にわかる。
親になるまでは親のありがたみなどは気がつかないことがほとんどです。
親になり、自分の経験していることを親がこれまで自分にしてきてくれたのかと思うと、親のありがたさを痛感するのではないでしょうか?
きっと自分の子どもも同じように将来思ってくれるはずです。
親が思う心にまさる親心
江戸時代に活躍した思想家で教育者であった吉田松陰の歌に、「親思ふ心にまさる親心けふの音づれ何ときくらん」があり、そこから子が親を思う心よりも、子を思いやる親の気持ちのほうがはるかに深いということ。
子どもだって親の事を大事に思っている、そう思っていても親が子どもを思う気持ちの方が上回っているということです。
確かに自分が親の想う気持ちなどは親が自分を想ってくれるよりも浅いものだなぁと感じることもあります。
逆に我が子が親を大切にしてくれる気持ちは伝わりますが、自分自身が子どもに抱く愛情などからみればまだまだ…と思います。
けなす言葉を覚えておくことで誤って使うことが減る
使ってもらいたくない言葉ですが、気がつかないうちに使っていることもあるでしょう。
ここでけなす言葉を知っておくことで、相手を傷つけたり恥を書くなどということもなくなります。
夫婦喧嘩は犬も食わぬ
夫婦げんかは犬でさえ相手にしない。
夫婦間のいさかいはよくあることで、すぐに和解することが多いから、他人が仲裁などするものではない。
「犬も食わない(食わぬ)」といえば、よほどまずいものか、誰も相手にしないものということになります。
大したことではないというたとえとしても使われますので、使いたい場面に出会っても、使わずにそっとしておいた方がよいでしょう。
蛙の子は蛙
蛙の子は蛙とは、子の性質や能力は親に似るものだというたとえ。
また、凡人の子は凡人にしかならないということ。
「鳶が鷹を生む」の反対の言葉としても使われますが、期待をしている子どもが親の想っているような想像以上の才能のある子どもには育っていない時に使われますが、そう思っても使わない方が良いでしょう。
自分の子どもは自分以上になるなどということは少ないので、過度の期待はしない方が親子のためといえますね。
恐妻家
家庭内において妻が夫よりも強い立ち位置にあり、夫が妻に逆らえないような状態を指しています。
近年恐妻家であるという男性の方が増えてきたように思います。
妻に頭が上がらない夫が増えていること自体、良いことなのか悪いことなのか?答えが出てくるものではありませんが、それでえんまんな夫婦関係ができているのであれば問題はないかと思います。
反対の意味とされるのが愛妻家ということになりますが、個人的には亭主関白などが思い浮かびます(愛妻家は良い意味で使われることがあるので)。
怖い奥さんか威張り散らす夫か、どちらもあまり良い言葉ではありませんので、本人の前ではいわない方が良いでしょう。
まとめ
いつも使う(または聞くことのある)言葉やことわざの意味について紹介しました。
夫婦・親に対して褒める言葉はどんどん使うことで、周囲との関係も良好になっていくでしょう。
けなす言葉は、相手を悪く言うことになってしまいます。
意識せずに使ってしまい、相手を傷つけたり不快な気持ちにさせたりしないように気をつけてください。
言葉やことわざが出来た時代には当たり前だったことが、現代では通じないということもあるので(夫唱婦随など)、その言葉の意味が今は通じるのかも確認して使っていきましょう。

家族や親孝行とは無縁と思っていましたが、結婚し子どもが生まれると親と親孝行がとても大切なものなのだなと思うようになりました。
なかなか面と向かって親孝行や家族に感謝するのは恥ずかしく感じることもありますが、恥ずかしがらずに親孝行していきたいと思っています。
まずは家族も親も元気が一番!ですね。