ゴルフと缶コーヒーと結婚「切っても切れない親子の関係」

40代にとっての家族

「あなたにとっての家族とは?」
様々な「家族観」に触れることで自分の「家族観」を見つけていく家族観バトン

親子で共通の趣味を持ち、一緒に時間を過ごせたらとても素敵なことだと思いませんか。T.I.さんはお父様と共通の趣味であるゴルフを通じて、上司や同僚と共に時間を共有されてきました。多感な時期には父子の衝突も経験されたT.I.さんの生い立ち、親子の関係、そして今の家族についてお話を伺いました。

目次

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プロフィール

名前:T.I
年齢:40歳(2021年3月現在)
職業:自営業(飲食店兼雑貨屋の経営、ITコンサルティング)

これまでのキャリアについて

会社員を経て、2016年に立ち上げた企業で代表をしています。東京の下町に飲食店と雑貨の取り扱いをしている店舗を運営していて、その他に地域活性事業、ITコンサルなどを行っています。

やんちゃな幼少期とバスケットボールとの出会い

東京の中野で生まれました。なかなかやんちゃな子で、通っていた幼稚園でふざけすぎて「あんた後ろで立っていなさい!」と、すごく怒られてロッカーの前に立たされたことがありました。みんながお絵かきをしているのに、自分だけできなかったのを衝撃的に覚えています。

あと、意外と大人びていましたね。群れるのが好きじゃなかった。当時戦隊モノがはやっていたので、みんな「ごっこ遊び」をするんですけど、センターの「レッド」って人気があるじゃないですか。やっぱりクラスの中心的な子がレッドをやるので、「けっ」て感じで「俺は一人でレッドやるわ。」と言って、一人で遊んでいました。

幼稚園でこっぴどく怒られたのがトラウマになり、小学校低学年の頃は結構おとなしくしていましたね。昼休みに教室で本を読むようなタイプだった記憶があります。小学校3年生の頃、部屋で固まっているグループでたまたま外で遊ぼうということになり、そこでバスケットボールと出会います。その頃は、サッカーやドッジボールが人気だったので、バスケットボールが余っていたんです。遊び方を理解して、意外とシュートが入るようになると、他の学年の生徒も巻き込んで試合をするようになりました。それがきっかけになり、ミニバスに入って中学校でもバスケ部に入ることになります。

缶コーヒーが飛んできた!思春期の親子喧嘩の一コマ

基本的に家族と仲は悪くなかったです。喧嘩もそんなになかったと思いますが、中学校1年生か2年生の頃に、一度だけ父と大喧嘩をしたことがありますね。バスケット部の男子と女子が終わる時間がだいたい一緒で、帰る方向も同じなので、よく行くたまり場でぺちゃくちゃ喋りながら長居をしてたんですよ。付き合うだの付き合わないだの、色恋沙汰に走るような青春時代です。

長居といっても夜の8時くらいだったと思いますが、普段なら夕方5時6時に帰るところを連絡もせず缶コーヒーを買ってずっとみんなで喋っていました。さすがに遅くなったと思い、申し訳ない気持ちから、お詫びの印みたいな形で家族にも缶コーヒーを買って帰ったんです。玄関で「ごめん。」と言いながら父に缶コーヒーを渡したら、その缶がパーン!って飛んできました。多感な時期だったので、僕も「てめぇこの野郎!」みたいな感じで壁を殴ってボコボコに穴を開けてしまいましたね。

父は仕事に忙殺されて帰ってくるのが遅かったです。経理の仕事をしていたので特に月末月初は家にいなかった記憶があります。どちらかといえば、母や祖父・祖母と遊ぶことが多かったですね。休みは一日中寝ていましたし、父の書斎には同じ家なのにすごく入りづらい雰囲気だったのを覚えています。でも、グローブを買ってもらってキャッチボールをしたり、仲は悪くなかった。世間でニュースになるような揉め事は一切なかったですね。

ゴルフでつながった親子の関係

社会人になって、結婚する少し前。2007年頃に勤めていた会社の上司から半強制的にな勧めがあってゴルフを始めました。当初、ゴルフってビジネス要素が半分という感じでイヤイヤでしたが、せっかくだから試しにやってみようということで始めてみたんです。

ほぼ時を同じくして、父もゴルフを本格的に始めていたんです。若かりし頃にお付き合いでやっていたようでしたが、当時購入したゴルフクラブやウェアが残っていて、それを引っ張り出してきました。久しぶりに昔の靴やウェアを出してきたらボロボロだったので新調したところ、俄然やる気が出たみたいで、そこから一緒に練習に行こう、一緒に回ろうという話になって、父とのゴルフ時間が始まりました。

父とのゴルフに、(ゴルフを勧めてきた)上司や同僚も入ってきて、彼らと父も仲良くなったので、一気にゴルフ仲間が増えました。父は面倒くさい人付き合いはあまり好きではないですが、ゴルフで人と繋がれることには好意的でした。その後、母もゴルフを始め、子供が生まれるまでの間、母と妻が一緒に2人でレッスンに通っていた時期もありましたね。

独立してこの仕事を始めてからは時間とお金に余裕が持てなくなってしまい、父と一緒に回る機会は減ってしまいましたが、父の誕生日に軽井沢の少し良いところでゴルフをしたり、家族がゴルフでつながっていた時間を持つことができましたね。

「やりたいことを見つけてほしい。」息子への思いと家族について

自分の好きな仕事をやらせてもらっているのもありますが、家族ができてから家事を頻繁にするようになりました。もともと自分の店を開いたときも、カフェをやるつもりではなかったし、皿洗いとかもしたくなかった。でも、カフェの売上が占める割合が多くなって、最初は「せざるを得ない」と思って嫌々皿洗いをやり始めました。そうしているうちに自分でも(皿洗いが)楽しくなってきて家でもやるようになり、最近は妻のカバーができている風の雰囲気を出せるようになってきましたね。

妻は「あれをやってほしい。これをやってほしい。」と、全部を言わずに察してほしいタイプです。なので、「やれることがあったらやって。」という視線や雰囲気を察して、自分は今何ができるか考えて、掃除機を掛ける・洗濯をする・皿を洗う・・・みたいな形で臨機応変にアシストをするのはうまくなってきた気がしています。仕事と一緒で自分から積極的にモチベーション高くできることを見つけて、楽しいと思いながらできるのが一番です。

今、息子が4歳で保育園に通っています。だんだん喋れるようになってきて自我が芽生えてきて、「あぁしたい、こうしたい。」と言うことが増えてきましたね。息子が自分でやりたいことを見つけて、自分はこれがやりたいんだ!っていうことを見つけてほしいし、やりたいことをどんどんやってほしい。親として援助できることがあれば、最大限頑張りたいと思っています。やりたいことを見つけてもらえるように、否定しない、頭ごなしに何かを言わない、押さえつけない、そういうところに気をつけています。まずは何でも受け入れて、共感するところからスタートしようと思っています。

切っても切れない、切ってはいけない親子関係

家族は仲良しが一番です。以前にお付き合いをしていた女性と結婚するのか、しないのかみたいな話で一時期家族とうまくいかない時期がありました。要は結婚を強行するのかしないのか。当時自分としては結婚したいと思っていたのですが、どうやら両親・・・特に母親が直感的に受け入れられないという話が盛り上がってしまったんです。

後々、その女性には残念ながら金銭的なトラブルを抱えていたことが判明。母の直感がなければ何となく結婚をして、何となくストレスを抱えながら毎日を過ごしていたかもしれません。どんなに好きな相手であっても、親が気持ちよく受け入れられないということであれば、結婚は一度立ち止まって考えてみてもいいかもしれませんね。

当時は親子関係を悩み、関係を切り離したり距離を置いたりすることも考えましたが、やっぱり家族を取ってよかったなと思うところが多々あります。親と子は、ずっと助けられるし助けなきゃいけない。切っちゃいけない関係ですね。