介護をすると本当の自分がわかる

60代にとっての家族

「あなたにとっての家族とは?」
様々な「家族観」に触れることで自分の「家族観」を見つけていくことが出来る家族孝行バトン。

今回は僕のビジネスパートナーで、公私ともにお世話になっている伊藤さんにインタビューをさせていただきました。
普段の会話で家族に関する話をしていても、いざインタビューをさせていただくと初めて知ることばかり。

改めて、「知る」ということが大事なことだと感じさせられました。

皆さんも、ご友人に「家族観」についてインタビューをしていただくと、きっと新しい何かを知ることが出来ると思います。

目次

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自己紹介

名前:伊藤 純一
生年月日:1955年5月26日(戦後10年)
出身:愛知県名古屋市
職業:会社経営者(株式会社ハゴロモ企画)

どんな家庭で育ちましたか?

母親は専業主婦で、父親は国税局に勤めてました。
僕は3人兄弟の真ん中で下に弟が居て、上に姉が居ました。
姉は僕が小学校4年生の時に亡くなりましたね。
心臓に欠陥があったみたいで、手術してもダメだったみたいです。
ある日、学校から家に帰ると家の中にたくさん人が居て「お姉さん亡くなったよ」と言われたのを覚えています。
姉はずっと入院していたんですけど、僕が幼稚園ぐらいの時に遊んでもらっていたことはとてもよく覚えていますよ。

父親は公務員で真面目な人です。
戦争で中国の内モンゴルのあたりに行っていたようです。
途中で怪我をして隊を離れた時があって、その時に小隊が全滅したようです。
よく父親から戦争の話を聞いてました。
仲間を失った悔いがあったんでしょうね。

戦争が終わって父は復員して税務署に勤めていたんですよ。
その時に母親と出会いました。
母親の実家は鉄工所だったんで、お義父さんは職人だから税務申告とかわからないから二十歳そこそこの娘にやらせていたようです。

税務署で出会って結婚するって珍しいと思います(笑)

家族の大切さを感じる瞬間は?

これまでに何度もありましたね。
社会的な立場が変わるキッカケの度に感じてます。
学生から社会人になる時、社会人になって仕事で役割が変わったり、転勤があったり。また様々な決断をするとき、不安があったりしますよね。
こんな時しか家庭を振り返らなかったのですが、そこには変わらないいつもの家庭があり、いつもの家族がいました。変わらないという事がとても救いになったようにおもいます。

あなたにとっての家族とは?

常に変わらない存在です。
僕の周囲は変わるけど家族は変わらない。

子育てについて大切にしていること

自然との関係を持ち続けることです。
都市は人間は動きやすく構造されているので、イレギュラーなことがないんですね。
人間が想像したように構造されている。
これって多様性がないですよね。思わぬことがないとつまらない(笑)
自然は人間の思うようにすることは出来ないし、予期できないことがたくさんあります。
これが多様性だと思います。
だからこそ、子供達には自然の中にある多様性に触れて欲しかったですね。

母親の自宅介護との向き合い

今、母親の介護をしているんですよ。
施設に入ってもらうという案もありましたが、母親は馴染めないだろうなと思ったし、自宅で過ごせるうちは自宅で介護をしようと思って決断しました。
今は毎週1回、東京から名古屋に行って、2~3日は母親と暮らしていますね。
母親の話し相手になれたらと思っていますけど、認知症も入っているので会話するのは難しい時があります。そんな時は忍耐がいります。
この「忍耐」を感じるところがいいんですよ。
「俺ってまだまだ駄目だね」と思わせてくれます(笑)

母親と過ごす時間があると昔話や「家族の話」を聞くことが楽しいですね。
「父親と母親の馴れ初め話、母親の子供時代の話、祖父や祖母の事、空襲の話、戦地にむかう若者の話」などたくさんありますよ。ちなみに母の兄僕の叔父は戦艦大和で戦死しています。
家族の話から学ぶこともたくさんあるので、親御さんに質問してみることをお勧めします。

今だからこそ伝えたい、子供たちへのメッセージ

「楽しくやりましょう」ですね。
子供3人と孫3人居ますけど、歩いて15分圏内のところにみんないます。
すぐに会えるところに子供たちが居てくれるのは安心しますし嬉しいですね。

家族とやりたいことリスト

定期的にみんなで集まって食事をする

同じ60代の方へのメッセージ

もし親が施設での介護を望まないのであれば、可能な限り自宅介護をした方が良いと思います。
本当の自分がわかります。
介護は自分と対峙しないと出来ないです。
親が老いていくのがどのようなものなのかを見ることが大事だと思います。
時間の貴重さも感じます。自分自身も老いていくわけですから。