【連載】 世界の親孝行 ~vol2中国~

世界の家族
Chinese Flag Waving Patriotism Concept

ブログ「かぞくのとき」では、ひとりひとりの家族に触れることで、あなたにとっての家族を見つけて欲しい。という思いで、家族にまつわる記事を発信しています。

そして、この【連載】世界の親孝行では、世界各地の親孝行について紹介していきます。

連載第二回目の国は、中国について。
中国は第一回目に紹介した韓国と同じく、儒教の影響を受けている国。

中国での親子関係や、親孝行の仕方など詳しく見ていきましょう!

目次

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中国の親子関係

親は子を、子は親を大事にする文化

中国では1979年から約35年もの間「一人っ子政策」が導入されていました。一人っ子政策とは1組の夫婦につき、子供は一人までとする政策。これにより、両親はピアノや英会話などの習い事をさせたり、たった一人の子供に対して多くのお金や熱い愛情をかけるようになりました。
また、共働きの多い中国は両親だけではなく祖父母も子育てに参加します。育児を手伝う程度ではなく祖父母宅で育てられるケースもあり、家族全員で協力して子供を全力で育てるという文化が根付いています。

そして、大人に大事にされてきた子供は、お返しをするように親や祖父母を大事にします。
旧正月や中秋節など家族や親戚が集まる行事には、必ず顔を出す子供が多いです。社会人になると子供が親や祖父母にお金を毎月送る場面も中国では多く見られます。中国では年金などのシステムが整っておらず、子は育ててくれた恩として親を養うのが一般的。
また、お金をもらった後それを使わず子に何かあった場合のことを考え、貯金する親もいるのだとか。このように親は子を想い、子は親を敬い大事にするのが中国の親子関係です。

親しい関係だからこそ「謝謝=ありがとう」は言わない。中国家族の特徴

日本では、「ありがとう」や、「ごめんなさい」を家族で伝え合うことが、美徳とされていませんか?しかし、中国では違います。中国では、「ありがとう」という言葉は「よそよそしい」、「他人行儀」と思う人が多いそう。
「家族は助け合うのが普通、ありがとうを伝える必要はない。」というのが、中国人の感覚。中国では儒教の教えの通り親を敬う姿勢はありますが、家族に対する垣根が低く親しさを大事にするところがありますね。

国全体で親孝行を義務化。中国の様々な法律や行事

実家に帰らないと法律違反?

一人っ子家庭の多い中国では、将来一人の子供が両親二人、場合によっては祖父母の面倒も見る必要がでてきます。そのような背景から中国では「成人した子供が帰省して、親の面倒を見なければいけない」という内容の法律をつくりました。
そのほか、一人っ子を対象に親の世話や介護をする場合は、毎年20日間の休暇をもらえるという制度も。
中国はとても大きな国。親と離れて暮らす子供が帰省する場合、数日かかってしまうこともあるそう。このような国の法律や制度があると、親元を離れている子供は休暇がとりやすくなるので、ありがたいですよね!

四川省(しせんしょう)にある親孝行博物館

中国政府は「子が親を敬う」という文化を後世に伝えるため、四川省に「現代親孝行博物館」を作りました。この博物館には、「親孝行の模範」を表す作品が展示されています。
例えば、警察官のワン・チュライ氏が両親を看病した時のボロボロになったベッドや、簡易トイレなどの作品。また、旅行がしたいという母親の夢を叶えるために、息子2人で母親を荷車に乗せて600以上の都市や町を回ったエピソードとともに、息子たちが履き古した靴や、母親が乗った荷車が作品として展示されています。
そのほかにも様々な親孝行に関するエピソードと作品が展示されており、若い世代にも親孝行の大切さを伝えてくれます。
このように国や政府が「親孝行」という文化を守るために、博物館や法律を作る活動を行っています。

中国ではどんな親孝行をする?

中国は日本と同様、5月の第二日曜日は母の日。6月の第三日曜日を父の日にしています。
日頃の感謝を込め、中国人は何をするのでしょうか?

両親に喜ばれるプレゼントは?

お花

日本と同様カーネーションをあげる子供が多いのですが、中国では忘憂草(ワスレグサ)というオレンジの花が人気。忘憂草は「母親が心配ごとがなく過ごせるように」という願いがこめられおり、母親にプレゼントすることが多い花です。花のつぼみは野菜として食べられるため、市場で売り出されていることも。

インターネットで「健康」をプレゼント

コロナウイルスの影響もあり、中国では家族となかなか会えない子供が多いです。そのため、両親へのプレゼントはネット上で購入し、遠方から親孝行をする人が増えています。一時「ネットショッピング式親孝行」という言葉がネットの検索ワードで急上昇したくらい、ネットでのプレゼントは流行しています。なかには健康診断サービスを購入したり、健康食品などを送る人もいるのだとか。親の健康を願い、ネットでプレゼントを贈るのも喜ばれるかもしれませんね!

肩たたきではなく、親の足を洗う

日本では、子供が親に「肩たたき券」をプレゼントすることがありますよね?
中国では、肩をたたくのではなく親の足を洗うのが伝統的な親孝行。
足の裏には両親が歩んできた歴史があり、足を洗うことでその歴史に感謝するのだとか。
足を洗いながら、普段言えない感謝の気持ちを伝えることができる行事です。学校行事や街のイベントでも両親の足を洗う活動が行われることがあります。

まとめ

中国の「百善孝為先」という教えを知っていますか?
これは親孝行をすることは一番の善という意味で、中国では古来からの教えとして言い伝えられています。
この言い伝えのように中国では、子が社会人になり親を養うという素晴らしい親孝行の風習がありましたね。

今回連載二回目となりますが、国それぞれの親孝行があっておもしろいですよね!
まだまだ紹介しきれていない内容がありますので、是非リサーチして自身の親孝行に生かしてみてください!

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