ブログ「かぞくのとき」では、ひとりひとりの家族に触れることで、あなたにとっての家族を見つけて欲しい。という思いで、家族にまつわる記事を発信しています。
そして、この【連載】世界の親孝行では、世界各地の親孝行について紹介していきます。
連載第7回目の国は、フランスについて。
フランスは、観光客の多い国の一つですよね。
そんな、フランスでの家族の形や親孝行について詳しく見ていきましょう!
目次
フランス家族の特徴
フランスの親子関係
友達のようなフラットな親子関係
フランス親子は、日本の「子が親を敬う」ような関係はあまり築きません。
お互いを尊重しあいながらも、友達のようなフラットな関係を築くことが多いようです。
フランス人は朝起きると、親子間で「ビズ」という挨拶をします。
「ビズ」とは「頬へのキス」を表し、実際は唇で音を鳴らし、頬を触れ合わせる挨拶です。
日本でいう握手や、手を振る動作と感覚が似ていますね!
このような形で、親子同士友達のような距離感でコミュニケーションを取ります。
また、家族同士のつながりを大事にし、チャットグループを作ることが多いです。
両親とは毎日連絡を取り合い、兄弟とも週に二回は連絡を取り合う人もいるそう。
チャットグループでは一日に一回誰かが近況を送るので、チャット内での会話が盛り上がり、通知が鳴りやまない時もあるのだとか。
もちろん家庭によって差はありますが、家族との距離と近いのが、フランス家族の特徴です。
「家族は一人の人間」。フランス家族の大事な価値観
フランス人は家族を一人の人間として、尊重する文化があります。
例えば、フランス人の子供は幼少期から自分の意見や、思っていることを口に出し、主張をするよう教育されます。
家族との食事中は今日あった出来事や、時事問題などについて話し合います。自分の考えを伝えつつ、相手の意見も聞く。そしてわからないことがあれば、クリアにする。この過程が、自分の意思をはっきり伝える習慣になっているそう。
決して「子供扱い」をせず、「一個人」として接するのがフランス流の子育てなのです。
また、フランスでは夫婦の時間を大事にするので、両親は子供を祖母に預けて、定期的にデートをするそう。
日本では、結婚をすると子供中心の生活になりますが、フランスでは子育ての責任を持ちながら、両親も一人の人間として尊重され自由な時間を過ごします。
「母」だから、「父」だからと肩書きにとらわれることがないのが、フランス流。
親子それぞれ一人の人間として、お互いを尊重し自立しているのが、フランスの親子関係といえるでしょう。
家族との時間を大事にするフランス家族
食事は家族とのコミュニケーション
フランス人は、家族との食事時間を大事にします。
食事の時間は、「家族がコミュニケーションを取る大切な時間」として捉えられ、特に夕食時は家族揃って食事をするそう。
前述した通り、食事中にその日にあった出来事を話し合いながら、家族の絆を深めます。
フランスは、「世界で一番食事の時間が長い国」といわれていて、平均一日2時間15分を食事の時間に費やしています。それほど家族との会話を楽しんでいるのでしょう。
日本ではパートナーが残業で帰りが遅く、家族揃って食事ができないこともありますよね。
しかし、フランスでは家族との時間を優先させるために、会社側も残業をさせることはありません。社会的にも家族の時間が優先されていることがわかるでしょう。
そして、フランスではレストランと同じく、家庭でもコースのように料理を順番に出すのが主流。
家族全員が一品食べたら、次の一品が出るようなスタイルで、前菜の後にメイン、チーズ、果物のような順のコースが一般的。
同じペースで食べることから、家族全員が食事を終えるまで席を立つことはありません。
家族が同じようなタイミングで、同じ物を食べると仲が深まりそうですね!
また、学校に通っている子供たちはいったん家に戻って、家族と食事を取ることもあるそう。最近ではバイキング形式の給食も増えましたが、昼に二時間程のお昼休みを設け、家に戻らせ家族との食事を楽しむ子供も。
このように、家族との絆を深めるために食事の時間を大事にするのが、フランス家族の特徴の一つです。
フランス家族の休日の過ごし方
フランス人は、家族と過ごすバカンスやクリスマスなどのイベントに最もお金を使います。年間を通して、家族とのバカンスに使うお金を予算として残す人も。
長くて、3週間くらいの長期で家族旅行に出かけ、アパートを借りてバカンスを楽しむのだとか。
そして、テーマパーク等に行くのではなく、自然のなかでキャンプや、ピクニックなどのアウトドアを楽しむのが一般的。
特に、フランス人に人気のバカンス地は、「コルシカ島」という島。
「コルシカ島」はナポレオンが生まれた地で、自然が溢れる街です。
フランス家族は、海水浴やサーフィンをしたり、ハイキングをしたりと思う存分自然を満喫します。レンタルボードに乗って、ワインやつまみを楽しむ人もいるそう。
フランスの小学校には日本にはない「秋休み」があり、そのほかにも「クリスマス休み」、「冬休み」などの長期休暇が多く、一ヶ月おきに二週間ずつ休みが設けられています。
それほど、フランスには家族と過ごす休日を大事にする風習があるようです。
小さな幸せを追及にするフランス家族
バカンスが大好きなフランス人ですが、普段は質素な日常を送っています。
食事は、朝はコーヒーとジャムを塗ったパン、お昼はサンドウィッチ、夜は野菜スープやパン、ハムサラダ、デザートにりんごなど、至ってシンプル。
平日は食事を作ることを頑張りすぎず、週末に外食などをして、メリハリをつける生活をしています。メリハリをつけることで、週末やバカンスでの食事が特別なものに感じるそう。
ホームパーティーをするときも、各自食べ物や飲み物を持ち寄り、節約をします。各家庭の食事が食べられること以外にも、会話のネタができ一層盛り上がります。
そして、フランス人は物を大事にします。
フランス人のクローゼットのなかには、10着ほどと洋服が比較的少ないことが多いのですが、一着一着お気に入りのものを揃え10年ほど使います。
治安が良く、物が溢れる日本人家族はなぜか幸福度が低いというデータがあります。
フランス家族のように、物を大事にし無駄使いをしないことで、目の前のちょっとした幸せを感じることができるかもしれません。
フランス家族の親孝行は?
クリスマスは親孝行の日
日本では、クリスマスは「恋人と過ごす日」というイメージが強いのではないでしょうか?
フランスではクリスマスは、「家族と過ごす日」、「親孝行の日」と位置づけられています。
そのため、社会人の子供はクリスマスに実家へ帰省し、家族との時間を過ごします。
普段質素な暮らしをしているフランス家族ですが、クリスマスには親族で集まり、豪華な食事をします。
家のなかはクリスマスツリーや、クリスマスまでをカウントダウンするカレンダーが飾られているほど、この日は特別なのです。
プレゼントは、家族全員分用意するのがフランス流。
子供が社会人の場合は、両親のプレゼントを用意し感謝の気持ちを伝えるそう。
普段離れて暮らしていて、あまり会えない親子にとってはとても大事な日。
久々に顔を合わせ、会えなかった時間を埋め合わせるように近況を報告したり、楽しく時間を過ごします。
このようにクリスマスは、フランスの子供が親孝行をする日には持ってこいの日なのです。
フランスでの親へのプレゼントは?
フランスでは家族を大事にする文化はありますが、「親孝行をしなければいけない」という義務感はないそう。
自然と自分にとって大事な存在だから、感謝の気持ちを伝えたり、表現することが身についていて、それが自然に「親孝行」になっているかもしれません。
では、フランスでは両親にどのようなプレゼントをするのかを見ていきましょう。
「長く使えるもの」をプレゼント
前述した通り、フランス人は、質の良い物を長く大事に使います。
そのため、実用的でその人の趣味にあったものをプレゼントするのが一番!
例えば洋服をプレゼントする場合でも、長く使えるように布の質を見極めてプレゼントをすることがおすすめ。
特に人気なのが、家電やキッチン用品。これは、「長く使えて実用的」という要素が含まれているためです。
洋服はお洒落好きが多いと言われているので、相手のこだわりを十分に理解する必要はありますが、家電などのプレゼントは好みがシンプルなので安心ですね!
「体験」をプレゼント
家族との時間を大事にするフランスでは、物をプレゼントするのも良いですが、一緒に過ごせる「体験」をプレゼントすることもあります。
例えば、レストランを予約したり旅行に連れていったりなどです。
フランス人は普段質素な生活を意識しているので、特別な日に美味しい料理や、お酒が美味しいレストランなどを予約すると喜ばれます。
また、フランス人はバカンスが大好きなので、旅行のプレゼントも喜ばれます。
「一緒に過ごす体験」のなかで、日頃の感謝を伝えるとさらに特別な一日になるでしょう。
まとめ
今回下記のようにフランス家族について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
①友達のようなフラットな関係が多い。
チャットグループで連絡を取り合ったり、「ビズ」という触れ合う挨拶でコミュニケーション。
②お互いを「一個人」として尊重する。
子供は自分の主張をすることを許され、大人は子供を預け夫婦でデートをする時間を大事に。
③食事を家族のコミュニケーションの場として大事にする。
④バカンスにお金をかけ家族との時間を大事にする。
⑤小さな幸せを大事にするため、普段は質素な生活をし週末や連休などに贅沢をする。
好みのものを長く使う文化があるので、一つの物を大事に使うことで幸せを感じる。
⑥クリスマスは「親孝行の日」と考えられることも多い。
家族で集まり、楽しい時間を過ごしながら両親にプレゼントをあげたり、感謝の気持ちを伝える。
⑦「長く使える物」や、「体験できる物」がプレゼントに良い。
長く使えるものだと実用的な家電や、体験できるものだとレストランや、旅行がおすすめ。
今後の連載でも色々な国を見ながら、それぞれの国の良い親子関係を見つけていきます。
次回もまた他の国を紹介しますので、是非チェックしてみてくださいね!
15歳から親元を離れ、親の偉大さに気づく。父が年金をもらう年齢になり改めて親孝行について考えるように。親孝行という素敵な文化がより多くの人に広まると嬉しいです。