ブログ「かぞくのとき」では、ひとりひとりの家族に触れることで、あなたにとっての家族を見つけて欲しい。という思いで、家族にまつわる記事を発信しています。
そして、この【連載】世界の親孝行では、世界各地の親孝行について紹介していきます。
連載第五回目の国は、インドについて。
インドは、世界一の宗教大国として名をあげる国です。
そんな、インドでの家族の形や親孝行について詳しく見ていきましょう!
目次
インド家族の特徴
強い絆を持つインドの大家族
インドでは家族を最も大事にする文化があります。
「家族の体調不良」という理由で仕事を休む人が多く、それほど家族を大事に想う気持ちが強いのです。
インド人は、農村部に行けば行くほど祖父母、兄弟が同じ家や村に住むことが多いそう。
子供が生まれると主に母親が育てますが、親族全員で手伝いをします。
ミルクをあげたり、おむつをかえたり、そのほかの家事も含めて全員で協力し合います。
また、最も収入のある人が親戚含めた家族を養うという風習があります。
そのため子供が社会人になり働き始めた後、親族全員の生活費を払うというケースも珍しくありません。
そして、インドでは親が働けなくなった後、子供が面倒を見るのが一般的。特に結婚後息子は、両親と同居し親孝行をするようになります。両親と住むために大きな家を買い、奥さんも含めて一緒に住み家族を養います。親孝行に関しては、日本と似たようなところがありますね。
インドはとても大きな国なので都市部に出ると、核家族が進んでいますが家族を大事にする文化は大きく変わりません。
インドの子育て事情
インド人にとって子供は「神様からのプレゼント」と言われており、社会全体で子供を大事にする風潮があります。例えば、子供の誕生日には親戚中が集まりプレゼントを持ちよりお祝いをします。
共働きの多いインドは、ベビーシッターを雇う文化があります。ベビーシッターは、子供につきっきりなので一歳くらいにおむつ離れができ成長が早いそう。泊まり込みで世話をするベビーシッターもいるそうで、家族の一員として子供の成長の手伝いをします。
家事などをベビーシッターに任せることで、親は心に余裕ができ子供と十分に向き合うことができます。このように子育ては家族全体でするような風潮があり、子供は多くの愛情をもらいながらすくすくと育ちます。
そして、子供が幼いうちは、できる限り多くの時間を親は子供と過ごし、愛情を深めます。6歳~7歳くらいまでは同じ部屋で両親と寝るのが一般的。幼少期に一緒に過ごした時間が親子の絆を強めてくれると考えられています。
しかし、子供が大きくなると親は自立を促すような教育に切り替えます。
インドの親は、8歳以降になると子供を働かせるようにします。
畑仕事や、動物の世話、家事、兄弟の世話などをさせるようにして、自分で考える力を養います。
インドの親は子供にできるだけ自立して責任感を持ってほしいと考えているのでしょう。
子の将来は、親の意思が絶対?
インドでは子供の未来を親が決めるという風習があります。
子供はエンジニアを目指すようになることが多く、インドのエンジニアは世界でも3位と言われているほど多いです。
それはカースト制度による歴史的背景が影響していると言われています。カースト制度はインドで生まれた社会的身分制度で、今は憲法で禁止されていますが、まだその風習は未だ残っています。
親は子供には豊かに暮らし、社会的に差別を受けてほしくないということから、収入を得られるエンジニアになるよう力を入れます。国が教育において数学やIT教育に力を入れていることも要因としてありますが、少なからずそのような理由があるようです。
そのほかにも親は、子供の結婚を決めるという風習があります。
インドでは、お見合い結婚が盛んで子供の相手を親が選びます。
それも、同じ身分で親同士が良く知る人を引き合わせるためです。最近では恋愛結婚も多くなったインドですが、それでも割合としてはお見合い結婚が多い状況です。
このように、家族全体の問題として子供の将来を考えるのがインド式の考え方なのかもしれません。そして、子供は親の意見を尊重して自分の人生を決定していくことが多いようですが、インド内でも宗教や価値観によっても家族のカタチは変わってくるでしょう。
両親の誕生日。インドでの親孝行は?
両親の誕生日は両親に日頃の感謝の気持ちを伝え、親孝行ができる日。
毎年ある両親の誕生日には何をするのでしょうか?
インド人は家族全員で行動することが多く、家族との絆を大事にしています。
なので、誕生日も家族全員で過ごすことが多いそうです。
両親の誕生日にはどのような親孝行をするのか、具体的に見ていきましょう!
家族全員で神殿へ。親の足を触る文化も?
インド人は通常、誕生日の日に寺院に行く習慣があります。
お祈り自体は神が活動している午前4時に行うと幸せになれると信じられており、一緒にお寺へ行って両親の健康を祈ることもあるそう。
宗教や神様とのつながりを大事にするインド人にとって、大事な儀式になるので家族全員で朝早く起きてお寺に向かうのだとか。
また、インドでは年上の人を尊敬するという意を込めて両親の足を触る習慣があります。
この行為は、「親がこの足で人生を歩んできたおかげで、自分の人生がある」という意味。
昔から伝わるポーズなので、特に高齢の両親には喜ばれるそうです。
家族全員で食事
誕生日の日は、両親を食事に連れていくことが一般的です。
昔インドの文化では、外食はあまりせず毎食自宅で食事を済ませることが多かったのですが、最近ではレストラン業が発展し外食の文化も浸透してきたようです。
イタリアンや中華、タイやベトナム料理など様々なレストランが都心では増えたため、両親が食べたい料理を聞いて事前に予約をすることもあります。
家族との充実した時間を過ごせば、喜んでくれることも多いのだとか。
外食ではなく家のなかで食事をする場合は、豪華にホームパーティーをすることもあるそう。ケーキや、料理を並べ家族全員で楽しめるカードゲームやボードゲームなどを準備すると盛り上がります。盛大にお祝いをすることから、一日お休みを取る人もいるそうです。
それほど、両親の誕生日はビッグイベントなんですね。
インドではプレゼントよりも家族と過ごす時間が両親にとって最も喜ばれるものかもしれません。
まとめ
今回インドの親孝行について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
インドでは家族の絆を大事にすることと、目上の人を尊敬する文化がありますね。
また、大人になって親を子供が養うくらいの親孝行をすることがわかりました。
インドは大きい国で地域によって文化が多少異なります。都心に行けば行くほど西洋の文化が入ってきているためです。
地域ごとに細かく風習を見ていくのもおもしろそうですよね。
今後の連載でも色々な国を見ながら、それぞれの国の良い親子関係を見つけていきます。
次回もまた他の国を紹介しますので、是非チェックしてみてくださいね!
15歳から親元を離れ、親の偉大さに気づく。父が年金をもらう年齢になり改めて親孝行について考えるように。親孝行という素敵な文化がより多くの人に広まると嬉しいです。