ブログ「かぞくのとき」では、ひとりひとりの家族に触れることで、あなたにとっての家族を見つけて欲しい。という思いで、家族にまつわる記事を発信しています。
これから世界各地の親孝行について紹介していきます。他国と日本の親孝行を比較してみるのも、新たな発見につながるかもしれませんね。
連載第一回目の国は、お隣の国、韓国について。
韓国での親子関係は、日本とどのように違うのでしょうか?
親子に関する記念日や、親孝行についても一緒に見ていきましょう。
目次
韓国での親子関係は?

親子同士でも、礼儀が大事!それは儒教の文化から?
韓国は、儒教の文化が根付いている国。
儒教とは2000年以上前から、中国、その周辺のアジアで信仰されてきた、宗教です。
儒教において、最も重きをおいているのは、親孝行の精神。
「子は親を敬い、常に目上の人に従って生きるべき」という教えです。
そのため、韓国では、親子間でも礼儀を重んじる家庭がとても多いそうです。
例えば、お酒を飲む時は、顔を横に向けて、親の視線を避けて飲むのが、一般的なマナーです。
現代では、かなり減りましたが、特に地方では親に敬語を使う家庭もあります。
家族間の絆が強い??韓国家族の特徴。

韓国では、また、家柄を大事にする文化があります。
「先祖の故郷はどこで、どこの血統で、何家の何代目か」という
自分の「ルーツ」をアイデンティティとして認識しています。
族譜(ぞくふ)という、一族代々の系統を書き表した家系図表を持つ家庭もあるそう。
そのくらい、血統を大事にしていることがわかるでしょう。
そのため、自分と最も近い、家族単位での関係性もとても大事にします。
食事は家族全員揃って、毎日の出来事を話し合う。
それが、韓国人が思い描く理想の家庭です。
また、子供が親に仕送りをしたり、食事に連れていったりと、
いくつになっても、絆の強いところがあるのも特徴です。
親孝行の日=「父母の日(オボイナル)」
「父母の日(オボイナル)」とは何?

韓国では、5月を「家庭の月」と呼んでいます。
なぜなら、家族にまつわる記念日が5月に集中しているためです。
そのなかでも、毎年5月8日に「父母の日(オボイナル)」という日があります。
この日は、両親に感謝の気持ちを伝える日と言われています。
「オボイ(어버이)」とは、父と母のこと。「ナル(날)は、その「日」を表す言葉です。
日本では、母の日、父の日と分かれていますが、韓国では、同じ日にまとめられています。
「父母の日(オボイナル)」の由来
昔、実は韓国にも「母の日」がありました。
しかし、1973年に「父の日」を求める声を聞き、政府は「母の日」を「父母の日」に改称しました。
また、儒教の考えかたでは、「親子」とは、基本的な関係。
父母の区別は特にしていないので、一つの日にしたという説もあるそうです。
「父母の日(オボイナル)」にはプレゼントを!
物ではなく、現金!?それが最高の親孝行

子供が社会人になって渡すプレゼントとして一般的なのは「現金」
2021年にある企業が実施したアンケートでも、「もらいたいプレゼント」の1位は「現金」で60%、「あげたいプレゼント」も「現金」が64%の結果に。
※ソウル聯合ニュースから引用
この結果を見ても、韓国では現金が喜ばれる風習があります。
ちなみに、プレゼントの予算は1万~2万が相場となるそうです。
現金に○○を添えたら完璧!それが最高の親孝行
一方で、現金をそのまま渡すと少し冷たい感じがしませんか?
韓国では様々なアイディアを取り入れて、現金をプレゼントします。
花束+お金

日本では考えられないことですが、花束の中にお札を入れてプレゼントするのが韓国では、最近流行っています。
少し工夫しただけなのにとても喜ばれるところが良いですね。
親子で記念撮影をして見栄えが良いのも、この組み合わせのポイント。
そして、親に捧げる花といえば、「カーネーション」
日本では母にあげるイメージがあるかもしれませんが、韓国では「両親の日」に父にもあげます。
父母の日には街頭にもカーネーションを筆頭にした、色とりどりの花が売られています。
現金だけではなく、カーネーションの花束も一緒にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
ケーキ+お金

綺麗にデコレーションされたケーキの周りに、現金を飾ります。
もちろん食べる前に、現金を回収。
ケーキに、両親の似顔絵や、メッセージカードが添えられることも。
韓国では、家族でホールケーキを囲む文化もあるため、父母の日にパン屋さんにも
ケーキが並びます。
ホールケーキを囲み楽しい時間を過ごすことが、幸せの象徴かもしれませんね。
健康食品+お金

最近韓国では、コロナ禍の影響で子が親の健康を考えるようになりました。
現金のプレゼントと同様、両親の日に健康食品をプレゼントする子も多くなったそうです。
健康食品はビタミン剤や、お茶などがありますが、両親の好みに合わせて選んでみてください。
まとめ
本記事では、韓国での親孝行やプレゼントについて紹介しました。
韓国での親子関係は親に対しての礼儀や、大人になっても親子同士のつながりをとても大事にすることがわかりました。
また、日本に住む私たちには考えられないプレゼントも多くありましたね。
今、親に「何かしてあげたい」と思っているけど「具体的に何をすれば良いかわからない……」という方。
他国の親孝行のアイディアを取り入れるのも、おもしろいかもしれません。
家族の特別な思い出づくりに、是非いかがでしょうか。

15歳から親元を離れ、親の偉大さに気づく。父が年金をもらう年齢になり改めて親孝行について考えるように。親孝行という素敵な文化がより多くの人に広まると嬉しいです。