ブログ「かぞくのとき」では、ひとりひとりの家族に触れることで、あなたにとっての家族を見つけて欲しい。という思いで、家族にまつわる記事を発信しています。
そして、この【連載】世界の親孝行では、世界各地の親孝行について紹介していきます。
連載第6回目の国は、ベトナムについて。
ベトナムは、家族を大事にする文化が根付いている東南アジアの国です。
そんな、ベトナムでの家族の形や親孝行について詳しく見ていきましょう!
目次
ベトナム家族の特徴
家族第一のベトナム家族
家族を第一に考えるところは、ベトナム家族の特徴です。
職場では残業やサービス出勤をして会社に貢献するよりも、家族の時間を大事にし定時に帰ります。家族イベントがある際や、家族が病気になった時に休むことは当たり前。
そして、職場を選ぶ基準も「家族を養える給与」かどうかで判断します。
ベトナム人労働者が日本で働く理由として、「家族の生活費を送るため」という回答が多いそう。
また、ベトナム家族は、儒教の影響からか年上を敬う文化が根付いていて、子は親を尊敬し大事にする風潮があります。
そのため、親への礼儀はしっかりとしていて、社会人になれば仕送りをするのが一般的。
このような例からも、ベトナム人が家族を第一に考えていることがわかるでしょう。
必需品はバイク?変わったベトナム家族の文化
ベトナムは「バイク社会」。街にはバイクが溢れていて、日本で言う「ママチャリ」や、「ファミリーカー」のように、ベトナム人はバイクを使います。
一家に一台以上バイクを所持しているのが、一般的。
小さな子供が母親の後ろに乗るのはごく普通のことで、赤ちゃんの頃からバイクに乗っているので、恐怖心はないようです。
さらに驚くのは、四人~五人家族が一台のバイクに乗って走っていること。「違反にならないのか?」と日本人は思うかもしれませんが、これがベトナムの日常の光景です。
また、街には家族が乗っているバイク以外にも、ソファーなどの大きな家具やお花を乗せて走っている商売人の姿が見られます。ベトナムではバイクが一台あれば、屋台を開いたり、物を売ることができるのです。ちなみに、観光客向けのバイクタクシーもあります!
このように、家族を大事にするベトナム人にとって、バイクは家計を支えるための重要な財産にもなります。
「家を売ってもバイクは売らない」という人もベトナム人のなかにいるそうで、ベトナム家族にとっては、なくてはならないものです。
家族の絆がわかる!ベトナム家族の旧正月「テト」の過ごし方
ベトナムには、「テト」という大事な家族行事が2月1日にあります。
「テト」とは、日本語に訳すと「元旦節」。
この日はどんなに仕事で忙しくても必ず実家に帰り、家族や親戚を集め、楽しく過ごすのがルールです。
テトの日前日には、家族全員で家の飾り付けや、民族料理の準備をします。
特に、テトに欠かせない代表的な民族料理は、「バインチュン」。
バインチュンとは、蒸したもち米や緑豆、豚肉の三種類をまぜ葉に包んでゆでたもの。
日本でいう「ちまき」のようなもので、一つの重さは1㎏ほどです。
そのほかにも、ベトナムのおせち料理である揚げ春巻きや、キノコスープなど多くの料理が、食卓に並びます。
家庭によりますが、ベトナム人は床に新聞紙を敷き、その上に料理やお酒を並べます。準備ができたら、大皿に盛られた料理をつっつき、たわいもない話をして楽しく食事をします。
男性は酔っぱらうほどお酒を飲み、家でカラオケをすることも。
子供は、祖母や親戚に新年の挨拶をし、日本と同様お年玉をもらいます。ベトナムでは父母や祖父母の健康を祈り、社会人になった子供が大人にお金をあげることも。親孝行の精神が身についているところも、ベトナム家族の特徴ですね!
他にも家族や親戚全員でお寺や神社に行き、新年を祝うのがテトの過ごし方。
アットホームで、絆が強いベトナム家族の姿をこの日に見ることができるでしょう。
ベトナム家族の親孝行は?
お酒が大好きな父への親孝行
ベトナム人は家族や、同僚で集まってお酒を飲む機会が多く、「お酒が好きな民族」と言われています。お酒の消費量は世界トップ5に入るくらいだそう。
そのため、父親の誕生日にあげるとよいものの一つとして、お酒があげられます。
もちろん父親が好きなお酒をあげるのが一番ですが、ワインや、焼酎よりもお酒のなかでベトナム人に人気なのはビール。
ビールを1ケースあげることもあるそうで、お酒好きにはとても喜ばれます。
ちなみに、ベトナムの都市ハノイでは「ハノイビール」、ホーチミンでは「サイゴンビール」が人気。お酒と一緒に父親の好きなおつまみも添えて、プレゼントすることもあります。
「女性の日」には母親に親孝行
ベトナムでは女性を大事にする文化があり、女性に関する記念日が年に5回ほどあると言われています。
3月8日の「女性の日」や、10月20日「ベトナム婦人デー」などが代表的な記念日。
そのため子供が息子の場合は、母親に向けて親孝行をする機会が多く設けられています。
母親には、赤い薔薇の花をプレゼントしたり、家事を手伝うと喜ばれます。
これらの記念日には、バイクに沢山の花を積んだ商人が街に溢れていて、気軽に花を買うことができるそう。
また、日本のバレンタインデーは女性が男性にチョコレートをあげますが、ベトナムでは逆。男性が女性に日頃の感謝を伝え、チョコレートを渡します。
女性の記念日が多いベトナムでは、母親のほうが感謝の気持ちを伝えられる機会が多いようですね。
まとめ
今回下記のようにベトナム家族について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
・ベトナム家族にとって、バイクは大事な資産。ファミリーカーのように出かける時に使えることや、商売などをして家族を養えるため。
・ベトナム家族は、「テト」の日に家族や親族全員で集まり、絆を深める。
・ベトナムで親にあげると良いプレゼント。それは父親にはビール、母親には薔薇の花。
女性にまつわる記念日が多いことから、母親が祝われる機会が多い。
今後の連載でも色々な国を見ながら、それぞれの国の良い親子関係を見つけていきます。
次回もまた他の国を紹介しますので、是非チェックしてみてくださいね!
15歳から親元を離れ、親の偉大さに気づく。父が年金をもらう年齢になり改めて親孝行について考えるように。親孝行という素敵な文化がより多くの人に広まると嬉しいです。